ロンドンの帝国戦争博物館で『Wolfenstein 3D』が展示

投稿者: Parker Wilhelm

SC_IWM_HERO_1920x870.png

博物館は、遊びに来た親戚に午後の暇つぶしをしてもらうだけの場所ではなく、今まで馴染みのなかった知識、歴史、文化に触れられる素晴らしい空間です。そして… 動くB.J.ブラスコヴィッチが見られるようになるかもしれません。

2022年秋、id Softwareが1992年に発売した名作『Wolfenstein 3D』が、ロンドンの帝国戦争博物館に展示されます。無料展覧会「War Games: Real Conflicts | Virtual Worlds | Extreme Entertainment」では、ビデオゲームと武力紛争の関係をテーマにした展示が行われ、『Battlefield』、『Sniper Elite』、『Call of Duty』といった人気戦争ゲームの代名詞となったFPSジャンルの先駆け的存在『Wolfenstein 3D』も展示されます。

「FPSというジャンルの確立に大きな影響を与えたというだけでなく、家族が自宅用に初めて買ったPCで私がプレイした最初のFPSだったということで、『Wolfenstein 3D』も展覧会に含めたいと考えました」とWar Games展覧会のキュレーターであるIan Kikuchiは語ります。「1990年始めにゲームのシェアウェアを手に入れて、寝食を忘れてプレイしました。最近になってまたプレイして驚いたのですが、特に弾薬が少なく敵からのダメージも大きい高難易度でプレイすると、発売から30年以上経った今でも十分に楽しめるんです。終わりのない通路を進むために、反射神経とスキルが試されるのは変わっていません」

そして、展示されるのはFPSゲームだけではありません。映画やテレビなどのメディアでもよく取り上げられるように、この展覧会ではゲームと人類全体の戦争への憧れがどのように交わっているのかを探ります。戦略的思考を用いる戦略ゲームやリアルシミュレーターに始まり、『Bury Me, My Love』や『This War of Mine』のような戦争が人にもたらす苦しみを表現するゲームなど、「第一次世界大戦から現在までの出来事をテーマにした一連のタイトルを通して、ビデオゲームが戦争や紛争に関する物語をどのように解釈しているかについての認識を覆す」ことが帝国戦争博物館のねらいです。

展覧会「War Games: Real Conflicts | Virtual Worlds | Extreme Entertainment」は、ロンドンの帝国戦争博物館で2022年9月30日から2023年5月28日まで開催予定です。『Wolfenstein 3D』が歴史考証やリアルな戦闘で有名ではないとしても、本作が紛争をテーマにしたその後のゲームに影響を与えた事実はまさに歴史的です。それにしても、夜通しファシストと戦っていたファンのために30年以上昔に作られたこのゲームが、未来の博物館で展示されるほどの研究題材になると思った人はどれほどいるのでしょうか。

さらに読む

シェアシェアすべての記事
Slayers Club

最新記事