新しいアドオンが登場: 『Quake』の「Tainted」
投稿者: Joshua Boyle
頭脳をフル活用させられる無料アドオンが新たに登場! コミュニティ向けにリリースされてからまだ1年も経っていない「Tainted」は、再リリース版『Quake』用のCopper modを使用した無料アドオンとしてプレイ可能です。
(まだの方は、Copper modの作者のLunaranさんとScampieさんにお話を伺ったNods to Modsインタビューをぜひご覧ください。最初にCopper modが使用されたアドオン「Underdark Overbright 」もゲーム内でダウンロード可能です)。
TAINTED
アートスタイルとマップ構成が印象的な「Tainted」は、全8レベルから成るシングルプレイヤーキャンペーンであり、空間認識をフル活用することでそれに見合う見返りが得られます。この頭脳を要求される新アドオンでは、『Quake』らしいシューティングアクションだけでなく、マップが拡張されていくパズルや、垂直方向の空間の広がり、相互接続された通路が待ち受けています!
「Tainted」は『Quake』のゲーム内のアドオンメニューから無料でダウンロード可能です。PC、Xbox One、Xbox Series X|S、PlayStation 4、PlayStation 5、Nintendo Switchに対応しています。
これだけではありません。『Quake』のコミュニティクリエイターの皆さんの制作した素晴らしいアドオンと、その制作過程について詳しいお話を伺うNods to Modsをお届けします! 今回のNods to Modsでは、「Tainted」の作者であるJakob “DragonsForLunch” Christoffersenさんにインタビューしました!
SLAYERS CLUB(以下SC): Jakobさん、インタビューをお受けいただきありがとうございます! マップの制作を始めたきっかけを教えていただけますか?
JAKOB CHRISTOFFERSEN(以下JC): 2019年後半に『DOOM』のマップの制作を始めたのがきっかけです。『DOOM』用エディターを入手して、自分の子供時代の家をデーモンだらけにしたマップを個人的なジョークとして作ったんです。単独のマップをいくつか公開し、短いエピソードも1つ公開しました。こうして1年ほど『DOOM』のマップを作った後、『Quake』に移行しました。
SC: 去年オリジナル版がリリースされたばかりのアドオンをご紹介できて光栄です! 最近の『Quake』のMOD製作界についてお話しいただけますか?
JC: どんどん素晴らしくなっていますよ! とても才能のある方が大勢いるので、マップを発表するのに気後れしてしまうこともあります! 通常版の『Quake』向けのマップだけでなく、Alkaline、Arcane Dimensions、Re:mobilize、CopperなどのMOD用コンテンツもあるのが嬉しいですね。どのMODもそれぞれ固有の機能とゲームプレイ要素があります。『Quake』は意欲的なレベルデザイナーが、原作の制約を越えて様々なゲームプレイシナリオを試すことができる、本当のサンドボックスになっているのです。それだけでなくマップ作成ツールも進化を続けているので、チェックする時にはいつもわくわくします。
SC: 「Tainted」ではカッコいいテクスチャとサウンドが新たに作られていますね。このエピソードを置き換えるMODは、どのぐらいの規模のチームで制作したのですか?
JC: 私1人だけです。元々はコミュニティ製のテクスチャを多く使っていました。今回再リリースするにあたり、KellさんとLunaranさんの作ったテクスチャと原作のテクスチャをミックスさせて、たくさんのテクスチャを新たに自作しました。今まであまりテクスチャを作ったことがなかったので、こうして試すことができたのは興味深い経験になりました。
SC: アドオンの冒頭に表示されるイントロのテキストがとても良いですね。
“君の住む汚された地には、底知れぬ宇宙的な恐怖が根付いている。奇怪な忌まわしいものたちが混乱と絶望をまき散らす中、脈打つ禁じられたエネルギーを宿した力のルーンが盗まれた。調和を取り戻し、破滅を防ぐために、おぞましい怪物どもを撃退し、力のルーンを取り戻さねばならない…”
このプロジェクトは主に何からインスピレーションを受けましたか?
JC: 冒険をしているように感じられるようにしたいと思いました! 「Realm of Black Magic」(『Quake』 Episode Two)をプレイしたときに、マップ同士の繋がりを感じられて、あたかも現実の場所を進んでいるような感覚を覚えました。「Tainted」でもこの感覚を再現したいと思ったんです。最も顕著なのは、2番目のマップで要塞の外扉に入ると3番目のマップに移行するようになっている点ですね。また、原作のエピソード進行をひっくり返して、中世風のマップから始まり、未来的な基地へと進んでいくようにしたら面白いと思いました。最後のマップ「Future Imperfect」は、「Underdark Overbright」の最初のマップから大きな影響を受けています。ここでは、植物の生い茂る廃墟と化したオリジナルのE1M1マップを探索することになります。
SC: 「Tainted」のレベルの多くは、一連のパズルを解くことでマップが拡張されて先に進めるようになっており、垂直方向の広がりも巧みに使われていますね。この広大で複雑な建造物が生き生きと描かれることで、ゲームプレイがさらに楽しくなり、特別な没入感が生まれています。制作にあたってレベルデザインにはどのように取り組んでいますか?
JC: 基本がとても大事だと思うので、レベル作成には長い時間をかけます。動き回っていて楽しく、ペースが適切であり、すてきなサプライズがあって、繰り返し訪れても飽きないマップとなるようにします。レベルデザインについて勉強を始めたときに、John Romeroさんによる『DOOM』のレベルデザインのルールを見ました。今でもマップを作るときには大いに参考にしています。やり方はかなりいろいろ試しました。紙にスケッチしたり、ゲームの流れを文章に書き起こしたり、いきなりエディターを触り始めたりなど… どの方法でもうまくいくとわかりました。重要なのは、まず始めること、そしてできる限り繰り返すことだと思います。1つのマップにアイデアを詰め込みすぎないように気を付けています。そうすれば途中で燃え尽きることなく、ちゃんとマップを完成させられます。プレイ時間20分のマップ1つを完成させるよりも、プレイ時間10分のマップを2つ完成させる方が簡単ですよね。
SC: 「Tainted」の最終レベルをクリアすると、再び最初のマップに戻ってやり直し、さらに探索できるようになっていますね。この機能を追加しようと考えた過程を教えていただけますか。
JC: エピソードをクリアしたプレイヤーにサプライズの報酬と、満足してもらえる締めくくりを提供したいと思ったんです。「Tainted」のマップ作成中に、『Quake』コミュニティメンバーの人たちが探索マップ(戦闘がなく、探索と謎解きを中心としたマップ)を作るマップジャムを主催したので、私も参加しようと思ったのですが、結局期間中にマップを仕上げることはできませんでした。そして、このマップジャム用のアイデアを「Tainted」に活かすことにしました。この場面で登場する大きな教会は、地元にあるロスキレ大聖堂をほんの少しだけ参考にしています。
SC: このプロジェクトでCopper modを使うことに決めた理由を教えていただけますか?
JC: 最初は通常版の『Quake』でプロジェクトを開始したのですが、すぐにCopperならずっと速く作業できると気づきました。Copperなら『Quake』のゲームプレイを制御して、とても簡単に興味深い戦闘シナリオを作り出すことができますし、エディターにも使い勝手の良いツールが揃っています。
SC: このアドオン制作のためにどのようなツールを使用しましたか?
JC: ノートに手描きでスケッチしつつ、マップ作成にTrenchbroom、メモと執筆にNotion、テクスチャ作成にPhotoshopとAsepriteを使いました。コンパイラツールにはEric-wを使い、PakScapeとTexMexでMODをパッケージ化しました。
SC: 『Quake』コミュニティでお気に入りのMOD制作者、またはMOD制作チームは誰ですか?
JC: 素晴らしいMOD作者が大勢いるので、ひとりだけを選ぶというのは難しいですね。プロジェクトリーダーのDwellさんとFairweatherさんは、昔ながらの『Quake』のマップに新たなトリックやゲームシステムを融合させるという素晴らしい偉業を達成しています。私にとってFairweatherさんは『Quake』の高難易度ゲームプレイの王ですが、難しくてなかなかクリアできないマップもあります(きっと誉め言葉だとわかってくれるはずですよね)!
SC: 他に感謝を伝えたい人はいますか? 今が絶好の機会ですよ。
JC: 『Quake』コミュニティの皆さん、『Quake』に生命を吹き込み続けてくださりありがとうございます! 私にフィードバックや意見をくれたり、マップ作成を手伝ってくれた皆さん、ありがとうございます! David Spellさん、私がマップを作り始めるきっかけになった素晴らしい動画シリーズ「Mapping for Quake」を作ってくれてありがとうございます。AlexUnderさん、Yoderさん、「Tainted」の再リリースを勧めてくれてありがとうございます。id Softwareの皆さん、『Quake』を生み出し、長い年月が経った今でもサポートを続けてくれてありがとうございます! 他にもまだまだ感謝を伝えたい人がいますが、この辺にしておきます!
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