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Nods to Mods インタビュー:Anomaly Report

  • 2022 July 05
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  • 作成者:Joshua Boyle

『DOOM』を新たな角度から掘り下げる、Nods to Modsへようこそ。コミュニティクリエイターたちとともに、その制作過程を詳しく見ていきましょう!

mod制作者のvalkiriforce をこうして初めて迎えることができ、大変嬉しく思います! 90年代半ばに「DOOM The Way id Did」というステージデザイン手法で知られていた彼は、『DOOM』シーンに精通しており、2011年には「Reverie」でCacowardを受賞、2020年のCacowardsでは「Akeldama」がSpecial Features部門で高い評価を受けました。valkiriforceの[Anomaly Reportアドオン](https://slayersclub.bethesda.net/ja/article/1U8JgXOiEPXS9cltJ7RRGp/new-add-on-available-anomaly-report)は、現在私たちのリリースした『DOOM(1993)』と『DOOM II』で利用可能で、32ステージに及ぶキャンペーン並のボリュームを楽しめます! この先に掲載するインタビューで、このアドオンがどのように制作されたのかを詳しく見ていきましょう。

Anomaly Report N2M builder in-body

Slayers Club:「Anomaly Report」を作ろうと思った主なきっかけは何ですか? 32ステージすべてをMegawad化する計画は常にあったのでしょうか?

VALKIRIFORCE :「Anomaly Report」は、いつでも暇なときに取り組むサイドプロジェクトとして出発しました。実は、仕事のほうで大きなプロジェクトを抱えていたのですが、そっちでは壁にぶつかって、こっちのシンプルなプロジェクトのほうがはるかに大きな結果を出していたんです。それですぐにこっちが私のメインの目標に変わり、オリジナルの『DOOM』シリーズの文脈の中で自然にアイデアが湧いてくるのが本当に楽しかったです。私は簡単なゲームプレイが大好きで、間違いなくその影響を受けてましたね。それと同じように、パッと始めてパッと遊べるものを作ろうと思いました。

オリジナルの『DOOM』シリーズから受けた影響のほかにも、私は他の人たちが「DOOM The Way id Did」の形でクラシックスタイルのゲームプレイを作ろうとしているのをすごくいいなと思っていて、そこでは見た目は簡素でもプレイ感はとても優れているものをみんな作ろうとしてましたね。私にはこれまで自分のやってきたこととは違うことを試したいという欲求が常にあるのですが、『DOOM』をこれほどまでに偉大なものにしているシンプルなコンセプトに立ち返るのはどこか新鮮なところがあって、その力の勢いそのままにとことんまでやってみたいと思っていました。

Slayers Club:多くのマップでずっと目に入る、雲がいっぱいで超現実的な青い空を箱状にしたあの素晴らしいテクスチャ(赤い場合さえある)について教えてください!

最初のマップのアイデアは、谷底の平原に山と青空と雲がついてくる、というものでした。それで自分の写真コレクションを見て、中央カリフォルニアで撮った風景写真を切り抜くことにしました。それと前に作っていた曇り空のパノラマを組み合わせたんですが、山の細かいところが空のピクセルのテクスチャと合わせるとぼやけてしまったので、それをシャープにする必要がありました。幸いそれがすごくうまくいったみたいで、他のマップに与えた影響を気に入ってます。

Anomaly Report N2M in-body

以降のエピソードでは宇宙のテーマや地獄のテーマを使うことも考えていたのですが、風景があまりにも気に入ったので、全てそっちを使うことにしました。まずは赤い空や夜のバージョンを作りましたね。それが作業を進めるうえで良いインスピレーションを与え続けてくれました。

SC:個人的にはどのような方法でステージをデザインしていますか?

V :ステージの作り方はいろいろありますが、私にとって一番大きいのは、作っているときも必ず自分が楽しめるようにする、ということです。その楽しさがなんらかの形でゲームにも現れるんじゃないか、そしてプレイヤーも、それを作った人間が楽しんで作ったに違いないと感じてくれるんじゃないかと、いつも思っています。マップの名前の候補リストに目を通して、それからよく、オリジナルの『DOOM』シリーズやたくさんのコミュニティ作品も含めた他の既存作品のマップ配置を研究しています。スケッチブックにそういうデザインを描き起こすのはすごく楽しいです。といっても私はたいていエディターで作って、どんな感じか見ながらすべての要素をまとめていきます。

マップのタイトルはマップを個性的にするのに役立つので、すごく大事にしています。例えばツインテールというタイトルで作業したときは、真ん中が橋でつながった2つの城ができました。マップの北のほうにクリスタルの形をしたものを作ろうとしたときは、それが「Diamond Apocalypse」という新しいタイトルのアイデアになりました。そのマップは後でボツにしてしまって、タイトルを残して別の砦を作り、さらにテスクチャを寄せ集めて3Dっぽく見えるダイヤモンドまで作って、ステージの最後でプレイヤーが爆破するようにしました。そのほうがすごく大きなアイデアで面白いと感じたので、そのアイデアには逆らえませんでしたね。

Anomaly Report N2M layout wide in-body

マップの配置も大事にしています。他の人の配置図を見ると、直線的だったり、曲がりくねった階段や何層も重ねた足場があったりして、いつもすごく楽しいです。そのマップを遊んだことがないときには特に面白くて、その場合ゲーム内でどういう感じになっているのか想像するしかないんです。実際にプレイしてみると想像と全然違うこともあるんですが、最初に思っていた考えが、自分の小さな冒険を作るときに必要なインスピレーションの種になってくれたりするんですよね。

この作品は、自分で作ったスカイボックスが一番の特徴だと思っています。このシンプルなアイデアをもとにもっとマップを作ろうというやる気が湧いてきたんですからすごいですよね。これのおかげで良い空気感が出せますし、制作中は自分自身が楽しめるよう、開けた場所の景色を豊富に散りばめたマップを作ろうとしてました。あとは、音楽のことにも触れておかないといけませんね。雰囲気や、そのマップで何が起きているのか、これから何が起きるのかと期待させるうえで間違いなく重要な要素です。サスペンスっぽい音楽はサスペンスのような戦いの機会を生み出してくれるし、アクションっぽい曲があればアクション満載になることもあります。正直、こういったプロジェクトをどんどん進めていくときにアイデア不足になることはありません。

SC:コミュニティには有名なMIDI製作者が数多くいますが、どうやってその中からたくさんの素晴らしい曲を発見し手に入れたんでしょうか?

私は関わってくれている全ての作曲者をものすごく尊敬していて、尊敬しすぎるがあまり、自分のマップに彼らの作品を使うなんておそれ多いことだとさえ感じていました。90年代の多くのクラシックなDOOM WADで初めて使われた楽曲の数々を、オリジナルの文脈から切り離したくないと思っていたんです。でも時が経つにつれて、他の人たちが彼らの曲を頻繁に使うのを見て、それに「Valiant」のような大きなプロジェクトでさえMark Klemの曲を少なくとも1曲2曲は使っていたので、このプロジェクトでも使ってみてもいいかなという気持ちになりました。

すべては私がとても大事に育んだ古い『DOOM』体験への愛から出てきたものなので、これはその曲を使うための良い場所かもしれないと思いました。新しいオリジナル作品を依頼するよりも速いし、リリースもはるかに早まります。このプロジェクトのすべてが私にとってすごく速いと感じていて、そのときそのときで正しい道を進んできたんだと思っています。コミュニティのほとんどの人もすごく喜んでくれているようで、とても嬉しいです。

SC:gallieo31dos01の素晴らしいステータスゲージを使おうと思った経緯について少し教えてください!

Anomaly Report Custom Bar in-body

V :あのステータスゲージは、もともと「Akeldama」という私の過去のプロジェクトで使うために作られたのですが、急にゴシック調の新しいステータスゲージが送られてきて、それがそのプロジェクトにすごくよく合ったんですよね。変更するのは悪い気がしたのですが、後で投稿して、どっちのほうがプロジェクトに合うかみんなに決めてもらうことにしました。あのステータスゲージは「Akeldama」でこそ使われませんでしたが、このプロジェクトが新しいホームになって嬉しい限りです。

SC:32もの膨大なステージを作成するのにどのようなツールを用いたんですか?

V :Doom Builder 2、XWE、Slade3を使いました。Doom Builder 2は2009年から使っていますが、ときどきvisplane explorerのために、Doom Builder Xもちょっと触ったりしてましたね。

SC:この大きなMegawadの完成までにどれくらいの時間がかかりましたか?

V :なんと11ヶ月です! プロジェクトの開始は2021年5月7日、終了は2022年の3月末ごろでした。リリーススレッドに投稿したのはその数日後なので4月になってからですね。

Anomaly Report N2M layout in-body

SC:『DOOM』コミュニティで一番好きなMOD制作者、あるいはMOD制作チームは? また、その中で一番のお気に入り作品は?

V :Jim Flynnは挙げておかないといけませんね、スタイルが信じられないほどユニークで。いつも彼の作品のメインストリーム版のようなものを作って、同じ感じでルームやトラップが関連しあうようにしたいと思っています。あの才能あふれるデザインはもっと評価されるべきだと思っているので。それからDarioとMilo Casaliが「The Plutonia Experiment」でやったデザインをすごくいいと思っています。あんなにシンプルかつエレガントなデザインがすごくうまく機能して、プレイヤーに良いチャレンジを与えてくれます。

それからBig Ol’ Billyですね、ステージデザイン手法に遊び心がいっぱいで、『DOOM』というのはこんなにもいじって遊べるんだ、型破りなアイデアで実験できるんだ、ということを思い出させてくれます。本当にコミュニティにはたくさんの才能があふれていて、ついていくのが大変ですよ。

SC:他に謝意を述べたい相手は? 今が絶好の機会ですよ…

V :全ての作曲者様たちに大きな感謝を – Mark Klem、David Shaw、Jeremy Doyle、Tom Mustaine、Charles Li。コミュニティのスレッドなどでテストプレイに協力してくれた皆さんと、あのクールな新ステータスバーを作ってくれたgalileo31dos01、ありがとう。それから私を直接的にも間接的にも助け支え続けてくれている仲のいい友人たちに大きな、大きな感謝を – FreezingIceKirby、waverider、surferbrg、KazeChan、TeraDex、DaCableGuy、It’s-a Me Megatron、MaritoBurrito、Wingless、Emperor Andross、Krackie、Raf、Gawain、BigBoy、Nineroe、40oz、そして炎を絶やさない全ての『DOOM』ファンのみんなに!