プラズマガンでDOOMをプレイしよう！

カッコいいコスプレアイテムとしても使える自作パソコンなんて、ちょっと信じられませんよね。ポーランドのプログラマー兼DIYマニアであるStaszek “Tips” Wiertelakは、『DOOM Eternal』のリリースに合わせてユニークなゲーミングPCを制作しました。このPCは『DOOM Eternal』を難易度ウルトラナイトメアでプレイできるだけでなく、スレイヤー愛用のプラズマガンとして構えることもできるという、まさしく『DOOM』にインスパイアされた逸品です。

TipsのプラズマガンPCは見た目がカッコいいだけではありません。ちゃんと見た目通りに動作するんです。フィン付きの発光する銃身は給気口となっており、ハイパワーなNVIDIA RTX 2080Tiカードと、延長されたブリッジに搭載されているMSIに新鮮な空気を供給します。プラズマガン背面にはCorsair製品が取り付けられたMini ITX MSIマザーボードが設置され、実際のプラズマガンと同じ場所に設置された1基のファンによってi9-9900K CPUが冷却されます。さらにリアリティを高める要素として、電源ボタンはトリガーの隣に設置されており、電源ケーブルはプラズマガンの弾倉に内蔵されています。

「なぜこれを作ったかって？ 『DOOM』だからですよ！」と、作者のTipsは言います。彼のカスタムPC制作者としての腕前はポーランド最高レベル、いやヨーロッパ最高レベルです。Tipsと同世代のゲーマーと同じく、『DOOM (1993)』は彼にとって特別な存在です。「私が初めてプレイしたオンラインゲームで、初めてコスプレ用の小道具を作った作品でもあります。その写真は残念ながら残ってないんですけど」とTips。幸いなことに、プラズマガンPCがそんな不幸な運命をたどることはなさそうですね。

ところで、なぜスレイヤーの強力な武器のラインナップの中からプラズマガンが選ばれたのでしょうか？ Tipsのお気に入りの武器だということもありますが、携帯型のカスタムPCとして理想的な形態だと偶然判明したからです。「アラクノトロンにコンピューターを内蔵する、みたいな突拍子もないことも考えました。でもプラズマガンなら、手に持って重みを感じながら、デーモン… いや、イベント会場の混みあった通路を歩き回れるんですよ！」とTips。「まさに特別な一品です」

プラズマガンPCがお披露目されたイベントは、昨年10月に開催されたPoznan Game Arenaです。同イベントではポーランドのゲームファンがリリース前の『DOOM Eternal』を試遊することができました。イベントで展示できるだけでなく、持ち運びもできるようなパソコンを作る、というのはかなりの難問でした。「いくつか困ったことがありました。一体型液体クーラーの漏れが生じたり、特製のケーブルをあちこちに引き回す必要があったり… 指にも切り傷をいくつか作ってしまいましたね」とTipsは回想します。得られた結果を基に、プラズマガンには大幅に手が加えられていきました。

「最大の難関はサイズと可搬性の2つでした」とTips。「小さなフレームの中に必要な機器類を詰めこまなければならず、しかも高熱を発するんです。かなり頭を柔らかくする必要がありました。さらに、武器みたいに扱っても安全なように、しっかりと各部を固定しなければなりませんでした」Tipsによれば、完成までには配線と最終的な仕上げを4回やり直したとのことです。最終的に、プラズマガンPCの銃身は一新され、ケースの上半分は作り変えられ、さらに『DOOM Eternal』のスレイヤー愛用のプラズマガンに近づけるべく、新たな塗装が施されました。

一見するとイベントブースの展示物のように思えるプラズマガンPCですが、超ハイスペックを秘めているスゴい奴です。このPCでは『DOOM Eternal』のプレリリース版デモが非常にスムーズに動作したので、ポーランドのメディアやインフルエンサーから注目を集めました。HUNTERというバンドのミュージックビデオにもプラズマガンPCが登場しています。これはポーランドにおける『DOOM Eternal』リリースのプロモーション用に作られたものです。

『DOOM』コミュニティの皆さんの創造力と技術力には、本当に驚くばかりです。『DOOM Eternal』をゲーム機でプレイする方も、パソコンでプレイする方も、プラズマガンでプレイする方も、引き続きSlayers Clubで『DOOM』のコンテンツをチェックしましょう！